在留資格の取消し

在留資格の取消しとは、日本に在留する外国人が、偽りその他不正の手段により上陸許可の証印等を受けた場合や、在留資格に基づく本来の活動を一定期間行わないで在留していた場合などに、在留資格が取消される制度です。

在留資格が取消される場合は、入管法に定められています。それぞれのケースに当てはまる事実が判明されると、在留資格は取り消されます。取消し事由に該当する疑いがある場合、地方入国管理局長が在留資格取消手続きを開始するかどうかを決定し、手続きを開始する場合は、在留資格取消台帳に登載されます。そして、入国審査官が在留資格取消しの対象となっている外国人から意見を聴取します。対象となっている外国人は意見を述べたり、証拠を提出したりすることになります。

在留資格取消の事由 １.偽りその他不正の手段で、上陸拒否事由に該当しないとして上陸許可を受けた場合。 　たとえば、上陸拒否期間中であるにも関わらず、名前などを変えて上陸許可を受けた場合です。

２.（１）のほか、偽りその他不正の手段で、日本で行う活動を偽って上陸許可を受けた場合。 たとえば、工場で単純労働をする予定にも関わらず、「技術・人文知識・国際業務」に該当すると職務の内容を偽って申請を行い、上陸許可を得た場合や、偽装結婚をして、戸籍謄本を作り、「日本人の配偶者等」の在留資格を得た場合です。

３.（１）（２）以外で、虚偽の書類を提出して上陸許可等を受けた場合。 「偽りその他不正の手段」であることは要件ではないため、わざとでなくても提出した書類が虚偽のものであればこれに該当します。採用する予定がない会社を勤務先として記載した申請書を提出して「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得た場合や、実際に働いていない会社の在職証明書を提出して、「家族滞在」の在留資格を得た場合などです。

４.偽りその他不正の手段により，在留特別許可を受けた場合。

５.入管法別表第１の上欄の在留資格をもって在留する者が、その在留資格に応じた活動を行っておらず、かつ、他の活動を行いまたは行おうとして在留している場合。ただし、正当な理由がある場合は除かれます。留学生が学校を除籍された後にアルバイト等を行っていた場合や、技能実習生が実習先から失踪後に他の会社で働いていた場合、「技術・人文知識・国際業務」で申請した内容とは違う単純労働を行っていた場合などです。

６.入管法別表第１の上欄の在留資格をもって在留する者が、その在留資格に応じた活動を継続して３か月以上行っていない場合。 ただし正当な理由がある場合は除かれます。留学生が退学になった後にそのまま居続けた場合や、「技術・人文知識・国際業務」で在留する人が、退職後に何もせずに３か月経った場合などがあります。お金が溜まって会社を辞めたとしても、そのまま遊んでいてはダメということです。

７.「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者が、その配偶者としての活動を継続して６か月以上行っていない場合。ただし、正当な理由がある場合は除かれます。離婚した後にそのまま６か月以上経った場合です。

８.上陸の許可または在留資格の変更許可等により、新たに中長期在留者となった者が、当該許可を受けてから９０日以内に住居地の届出をしない場合。ただし、届出をしないことにつき正当な理由ある場合は除かれます。住むところが決まったら、速やかに役所に届けに行きましょう。

９.中長期在留者が、届け出た住居地から退去した日から９０日以内に、新しい住居地の届出をしない場合。 ただし、届出をしないことにつき正当な理由がある場合は除かれます。引っ越したら、速やかに役所に届けに行きましょう。

１０.中長期在留者が、虚偽の住居地を届け出た場合。 ウソはいけません。きちんと届出ましょう。

ちなみに「入管法別表第１の上欄の在留資格」は「外交」，「公用」，「教授」，「芸術」，「宗教」，「報道」，「高度専門職」,「経営・管理」，「法律・会計業務」，「医療」，「研究」，「教育」，「技術・人文知識・国際業務」，「企業内転勤」，「介護」,「興行」，「技能」，「技能実習」，「文化活動」，「短期滞在」，「留学」，「研修」，「家族滞在」，「特定活動」です。

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