特定技能の外国人を受け入れる基準とは?
2018年12月に改正入管法が成立し、在留資格「特定技能」が新設されましたが、その詳細は省令に任されることになっています。 その省令について、12月28日にパブリックコメントが出ています。
受け入れ機関や、特定技能外国人支援計画の基準については、次のとおりになります。
○受入れ機関が外国人と結ぶ契約(特定技能雇用契約)が満たすべき基準
在留資格「特定技能」の外国人を受け入れるためには、まずは特定技能雇用契約を締結する必要があります。 この特定技能契約について次の基準を満たす必要があります。 ・ 労働基準法その他の労働に関する法令の規定に適合している ・ 「相当程度の知識・経験を必要とする技能を要する業務」に従事 ・ 所定労働時間:通常の労働者と同等 ・ 報酬額:日本人が従事する場合の額と同等以上 ・ 報酬の決定、教育訓練、福利厚生施設の利用、その他の待遇: 外国人であることを理由として差別扱いをしていない。 ・ 一時帰国:希望した場合は有給休暇を取得させる
○外国人の適正な在留に資するために必要な事項
在留資格「特定技能」の外国人を受け入れた会社等は、特定技能外国人がきちんと仕事をして終わったら帰国できるように監理することも任されています。その基準は次の通りとなります。 ・ 帰国旅費:外国人が負担できなければ、受入れ機関が負担する。 ・ 契約終了後の出国が円滑になされる措置を講ずる ・ 健康の状況、その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずる
○ 受入れ機関が満たすべき基準
在留資格「特定技能」の外国人を受け入れるためには、次の基準を満たしていなければなりません。 ・ 労働・社会保険・租税に関する法令を遵守している ・ 特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を 非自発的に離職させていない ・ 行方不明者を発生させていない ・ 欠格事由(前科・暴力団関係・不正行為等)に該当しない ・ 労働者派遣をする場合:派遣先が上記各基準を満たす ・ 保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者等の介在がない ・ 支援に要する費用について、外国人本人に不安させていない ・ 報酬を預貯金口座への振込等により支払う ・ 労災に加入している ・ 特定技能雇用契約を継続できる体制が整備されている
◎労働者派遣の対象にする場合 ・派遣元が次のいずれかに該当し、従事する特定産業分野管轄行政機関の長と協議の上、適当と認められる者 ①特定産業分野に係る業務を行っている ②地方公共団体または①の者が資本金の過半数を出資 ③地方公共団体の職員又は①の者が役員 ④農業の場合は、国家戦略特別区域法規定の特定機関 ・派遣元が受け入れ機関が満たすべき基準を満たしている
○ 適合1号特定技能外国人支援計画の実施について
・ 中長期在留者の受入れを適正に行った実績がある ・ 中長期在留者の生活相談等に従事した経験を有する職員が在籍している(*) ・ 役員または職員の中から「支援責任者」 (1号特定技能外国人支援計画の実施に関する責任者) を選任している ・ 事業所ごとに「支援担当者」 (1号特定技能外国人支援計画に基づく支援を担当) を選任している ・ 外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を 確保している(*) ・ 支援責任者等が欠格事由に該当しない ・ 特定技能外国人およびその監督者と定期的な面談を実施する体制を有している
*については、登録支援機関に支援を委託する場合には不要です。登録支援機関が代わりにこれらを満たすことになります。
○ 支援計画が満たすべき基準等
支援計画の記載内容にも決まりがあります。
①職業生活上、日常生活上又は社会生活上の 支援の内容 ・入国する前に、特定技能雇用契約の内容、活動の内容、上陸及び在留のための条件等の情報提供を実施すること ・港や飛行場に外国人の送迎をすること ・賃貸借契約の保証人となること、その他適切な住居の確保に係る支援をすること ・銀行などの預貯金口座の開設、携帯電話利用契約、その他の生活に必要な契約に係る支援をすること ・入国した後、次の事項に関する情報の提供を実施すること ・生活一般に関する知識 ・届出その他の手続に関する知識 ・相談又は苦情の申出に対応する者の連絡先及び 相談・苦情の申出をすべき国・地方公共団体の機関の連絡先 ・外国人が十分に理解することができる言語で医療を受けることができる 医療機関に関する情報 ・防災・防犯に関する知識、急病その他の緊急時における対応に必要な知識 ・出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法 その他外国人の法的保護に必要な情報 ・生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること ・職業生活、日常生活又は社会生活に関し、相談・苦情の申出を受けたときは 遅滞なく相談・苦情に適切に応じ、助言・指導その他の必要な措置を講ずること ・外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること ・雇用契約を解除される場合は、公共職業安定所等の紹介などで、 特定技能の活動ができるように支援をすること ・外国人とその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し、 労働基準法関連の法律に違反しているなどの問題を知ったときは、 その旨を労働基準監督署等に通報すること ・支援を登録支援機関に委託する場合は、登録支援機関についての内容 ・支援責任者と支援担当者の氏名・役職
②支援計画は、日本語と外国人が理解できる言語で作成し、外国人に交付することとされています。
あらかじめ、在留資格「特定技能」で働く外国人の方に対しても、どのようなサポートを受けられるのかオープンにしておく必要があります。
○一号特定技能外国人支援計画の基準
・外国人に対する職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援の内容が 外国人の適正な在留に資するものであって かつ適切に実施することができるものであること ・支援が、対面またはテレビ電話装置などで実施されること ・支援が、外国人が十分に理解できる言語で実施されること ・委託する場合は、委託の範囲が明示されていること
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