難民と認定されなかった事例
法務省から、難民と認定された事例とされなかった事例が公表されていますが、
本日は、認められなかった事例についてご紹介いたします。
○人種を理由とした申請 ・民族Ａの用いる言語を話したことで、先生から脅迫され、他民族の同級生から差別的な言葉を言われた。 →本国で、民族Ａの言語による教育、テレビやラジオ放送が認められ、人権保障が取り組まれている。 家族は問題なく生活しているため、認められなかった。
・本国で少数民族として差別された。 →近隣住民から見下された程度は該当しない
○宗教を理由とした申請 ・特定の宗教を信仰しているために侮辱された →侮辱されたとしても、身体的危害は加えられなかった。他の親族は本国で問題なく生活しているとして認められなかった。
○政治的意見を理由とした申請 ・野党支持と政権批判の投稿を行ったところ、野党の党員から脅迫を受けた。 →その後、本国政府機関に自ら赴いてパスポート更新の手続きを受け、迫害を受ける恐れを有している者の行動としては不自然。
・政党批判のデモをおこない、警察に写真を撮られて監視される。帰国した場合、逮捕される恐れがある。 →多数の参加者の一人として参加したに過ぎない。デモ参加後に、問題なくパスポートの発給と出国手続きを受けている等として、認められなかった。
○その他 ・本国で妻の手術台のために借金し、返済できなかったため、妻が債権者から脅迫 →借金を理由とした債権者からの迫害は、難民条約上の迫害理由に該当しない。
・本国のマンションが火事になり、家主から火事を起こしたと疑われ、修繕しなければ殺すと脅迫された。 →火事によるマンションの損害を理由とした迫害は、難民条約上の迫害理由に該当しない。
・マフィアからの違法薬物密売の協力依頼を断り、マフィアから暴行を加えられたうえ、家族が脅迫を受けた。 →マフィアからの脅迫は、難民条約上の迫害理由に該当しない。
・家族との間で相続トラブルが発生し、帰国した場合に家族に殺される恐れがある。 →遺産相続トラブルは、難民条約上の迫害理由に該当しない。
・夫の浮気が原因で夫婦ケンカになった際、夫から暴力を振るわれることから、帰国した場合に夫から暴力を振るわれる恐れがある。 →夫からの暴力は、難民条約上の迫害理由に該当しない。
その他、認められない理由は多岐にわたりますが、難民条約上の迫害理由に該当しない申請が多いようです。
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