預貯金も遺産分割協議の対象に‼ 判例変更
こんにちは。
中国語が話せる行政書士 おおにしゆうこです。
このブログでは、法改正や判例の変更などについて綴っております。
先日、最高裁の大法廷による判決が確定し、
遺産分割協議に対する預貯金の取り扱いが変更になりました。
今までは、対象にならなかったのですが、
今後は遺産分割協議の対象になります!
判例について
争いが起きて、当事者で解決しない場合は裁判になります。
裁判所は、法律に従って判決を出します。
しかし、あらゆる事例に備えて法律があるわけでは
ありません。
そこで、個別のケースに従って、法律をどのように解釈するか、
どのように対応するか、が問題となります。
そして、最高裁判所が最初に下した判決は、
前例として、その後の裁判の基準となるのです。
大法廷って?
最高裁判所の裁判官は15人います。
通常の事件は、5人の裁判官で構成される
小法廷で審理・裁判されます。
しかし、前例となっている小法廷の判決(判例)を
変更する場合は、15人全員で構成される
大法廷で審理・裁判されるのです。
今回の、預金が遺産分割協議の対象になる
というのは、大法廷で出された判決です。
今までは、対象にならないとされており、
今後の運用が変わってくることになります。
なぜ変更になったの?
遺産分割協議は、相続人全員が
遺産をどのように分けるかという話し合いです。
たとえば、旦那さまが亡くなり、
奥さまと二人のお子さん(お姉さんと弟)が旦那さまの
遺産を相続するとしましょう。
旦那さまの遺産には、預貯金だけでなく
現金や、土地、建物、株券などいろいろありますよね。
これらをどのように分けるかが、遺産分割協議です。
奥さまは旦那さまの介護をしていたから、
多く分けよう、とか
お姉さんは結婚資金をもらっていたから
その分を差し引こうとか、
そのようなことも話し合います。
話し合った結果を文書にしておくのが
「遺産分割協議書」です。
今までは、預金についてはこの協議の対象に
なりませんでした。
つまり、銀行に行けば、法律で決まった取り分を
受け取れたのです。
お姉さんが銀行に行けば、預金のうち4分の1
(配偶者と子はそれぞれ2分の1、
子は2分の1を平等に分け合います)
を受け取れたのです。
しかし、そうなるとすでに結婚資金を受け取っていた
お姉さんと、何ももらっていない弟が
不平等となりますよね。
そこで、今回、預金も協議の対象になることに
なったのです。
後々にトラブルにならないためにも、
きちんと話し合っておきましょうね。
もし、分からないことがございましたら、
YOU国際法務事務所へご連絡ください。
分かりやすく、親切・丁寧にご説明いたします!